乾燥・ひび割れ・やけどから守る!愛犬の肉球トラブルと季節ごとのパーフェクトケア

もくじ
はじめに:愛犬の肉球トラブル、そのサインと隠れた原因

愛犬が肉球を頻繁に舐めている、カサカサしている…。それは肉球からのSOSかもしれません。 犬は人と違い、4足歩行で常に肉球が地面に触れています。近年では靴を履いて散歩するワンちゃんも見かけますが、まだまだ裸足で歩く子がほとんど。だからこそ、肉球は外的な影響を受けやすいのです。
散歩後に足を拭くとき、寝ているときにふと足裏を見たら「赤くなっている」「カサカサしている」「ひび割れている」などの異常に気付いたことはありませんか? 「散歩で痛い思いをさせていないかな?」「このひび割れ、治るのかな?」と心配になる飼い主さんも多いはずです。
肉球トラブルの代表的な症状は やけど・ひび割れ・乾燥。
- やけど:真夏のアスファルトやコンクリート、砂浜などで起こりやすく、赤みが出たり、肉球が剥がれたり、強い痛みで歩行を嫌がることも。
- ひび割れ:乾燥や栄養不足、歩行の癖などが原因で亀裂が入り、痛みや出血を伴う。
- 乾燥:カサカサ、白っぽい、硬くなるなどの状態。冬の暖房や乾燥した空気、保湿不足が主な原因。
このコラムでは、そんな肉球トラブルの原因と季節ごとのケア方法をわかりやすく解説していきます。
【季節別】愛犬の肉球を守るパーフェクトケア
真夏の肉球ケア:最大の敵は「やけど」

夏の散歩は、飼い主にとっても愛犬にとっても楽しみのひとつですが、肉球にとっては大きな試練の季節です。真夏のアスファルトやコンクリート、砂浜などは、日差しを浴びると想像以上に高温になります。実際にアスファルトの表面温度は60℃以上に達することもあり、肉球が火傷してしまう危険性があります。
やけどのサイン
- 肉球が赤くなる
- 表面が剥がれる
- 強い痛みで歩くのを嫌がる
- 足をかばうように歩く
これらの症状が見られたら、すぐに散歩を中止し、動物病院で診てもらうことが大切です。
真夏のケアポイント
- 散歩は時間帯を選ぶ:早朝や夕方など涼しい時間に行う。
- 地面チェック:手の甲でアスファルトを触り、熱いと感じたら散歩は控える。
- 犬用靴や保護クリームを活用して肉球を守る。
- 水分補給を忘れずに:肉球の乾燥や体温上昇を防ぐためにも重要。
このように「真夏のケア」は、やけど防止が最優先です。飼い主が少し気を配るだけで、愛犬は安心して夏の散歩を楽しめます。
乾燥する季節(冬・秋)の肉球ケア:ひび割れを防ぐ
冬や秋は空気が乾燥しやすく、さらに室内では暖房の使用によって湿度が下がり、肉球の乾燥やひび割れが起こりやすい季節です。乾燥した肉球は弾力を失い、硬くなって亀裂が入りやすくなります。ひび割れが進行すると痛みや出血を伴い、歩行を嫌がることもあります。
ひび割れのサイン
- 肉球がカサカサして白っぽく見える
- 表面に細かい亀裂が入る
- 歩くときに違和感を示す
- 出血や痛みで散歩を嫌がる
冬・秋のケアポイント
- 散歩後はやさしく拭く:濡れタオルで足裏を拭き、汚れを落とす。汚れがひどい場合にはシャンプーで洗いましょう。
- 保湿ケアを取り入れる:犬用保湿クリームを薄く塗り、乾燥を防ぐ。
- 暖房器具の前に長居させない:乾燥が悪化するため注意。
- 室内の湿度管理:加湿器を使って適度な湿度を保つ。
- 定期チェック:ひび割れや赤みがないか、散歩後や就寝前に確認。
この季節は「乾燥対策」が最大のポイントです。人間の手肌と同じように、犬の肉球も保湿が欠かせません。飼い主が少し気を配るだけで、ひび割れを防ぎ、愛犬が快適に過ごせるようになります。
春・秋の肉球ケア:アレルゲン・異物対策

春や秋は気候が穏やかで散歩に最適な季節ですが、肉球にとっては「アレルゲン」や「異物」に注意が必要です。草むらや公園には花粉や雑草、落ち葉などが多く、肉球や指の間に入り込んで炎症を起こすことがあります。また、川辺や湿った場所で遊ぶと、指間炎などの皮膚トラブルにつながることもあります。
トラブルのサイン
- 肉球や指の間が赤く腫れている
- かゆみで頻繁に舐めたり噛んだりする
- 歩行時に違和感を示す
- 小さな異物(草の種や砂利)が挟まっている
春・秋のケアポイント
- 散歩後のチェック:足裏と指の間を丁寧に拭き、異物がないか確認。
- 水気の多い場所に注意:川や湿った草地で遊んだ後は、洗浄し、しっかり乾燥させる。
- アレルゲン対策:花粉が多い日は散歩時間を短めにし、帰宅後は肉球を洗って清潔に。
- 定期的な毛のカット:指間の毛が伸びると異物が絡まりやすいため、バリカンで整える。
春や秋は快適な季節ですが、見えない異物やアレルゲンが肉球トラブルの原因になることもあります。散歩後のちょっとしたケアで、愛犬の足を守り、安心して季節の散歩を楽しませてあげましょう。
自宅でできる!「健康な肉球」を保つためのデイリーケア

肉球トラブルを防ぐためには、季節ごとの特別なケアだけでなく、毎日のちょっとした習慣がとても大切です。飼い主が日常的に気を配ることで、愛犬の肉球はいつも柔らかく健康な状態を保てます。
肉球ケアの基本ステップ
- 散歩後はやさしく拭く 濡れタオルやウェットシートで足裏を拭き、汚れや雑菌を取り除きます。
- 汚れがひどい場合は水洗い+乾燥 水で洗った後はタオルでしっかり拭き、指の間まで乾かすことが重要です。
- 保湿ケアを取り入れる 乾燥が気になるときは犬用保湿クリームを薄く塗り、肉球の柔らかさを保ちます。
- 肉球の間の毛を整える 毛が伸びると汚れや異物が溜まりやすくなるため、バリカンでカットして清潔に。
効果を高めるためのポイント
- 人用クリームは使わない:香料や成分が犬に有害な場合があるため、必ず犬用を選ぶ。
- 塗りすぎない:ベタつきは雑菌繁殖の原因になるので、薄く塗るのがコツ。
- 定期チェックを習慣に:散歩後や就寝前に肉球を観察し、赤みやひび割れがないか確認。
- 異常があれば早めに受診:小さな異変でも放置せず、動物病院で診てもらうことが安心につながります。
このような日々のケアは、愛犬にとって「安心して歩ける足」を守るための基本です。飼い主のちょっとした心配りが、肉球の健康を長く維持する秘訣になります。
まとめ:愛犬の元気は肉球から

肉球は犬にとって、ただ「かわいい」だけの存在ではありません。走る、歩く、ジャンプする――そのすべてを支える大切な器官です。衝撃を吸収し、地面の熱や冷気から守り、体温調整まで担います。
なので、肉球の乾燥やひび割れ、やけどなどのトラブルは、愛犬の生活の質を大きく左右します。散歩を嫌がったり、痛みで元気がなくなったりすることもあるのです。だからこそ、飼い主が季節ごとのケアを意識し、日々のチェックを習慣にすることが重要です。
- 夏は やけど防止
- 冬・秋は 乾燥対策
- 春・秋は アレルゲン・異物対策
- 毎日の散歩後は 拭く・乾かす・保湿・毛のカット
この基本を守るだけで、愛犬の肉球は健康に保たれ、毎日の散歩や遊びを安心して楽しめます。愛犬が元気に走り回れるのは、健康な肉球のおかげ。飼い主のちょっとした心配りが、愛犬の笑顔と幸せにつながります。
本記事の執筆者

Three f 代表 獣医師 今枝奈緒美
日本獣医生命科学大学卒。日本獣医皮膚科学会所属。
勤務医として臨床に携わる傍ら、名古屋市と東京都の2つの動物病院にて皮膚科外来を担当。主に犬猫のアトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の診療を得意とする。
ペットの皮膚トラブルに悩む飼い主様向けに、セミナー登壇・セミナー主催・皮膚科相談・関連商品の販売などを行う。
https://threef-pet-atopy.com/funnel
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